「PBR1倍割れだから割安!」と思って買ったのに、その後ずっと上がらなかった。投資を始めたばかりの頃、こんな経験をした人は多いはずだ。
実はPBRにも、知らないと損する「罠」がある。今日はPBRの基本から正しい使い方まで、まとめて解説する。
純資産とは何か
PBRを理解するには、まず「純資産」を知っておく必要がある。
純資産とは、会社の資産から負債を引いた残りのこと。簡単に言うと「会社を今すぐ解散したときに株主に返ってくるお金」だ。
たとえば資産が100億円、借金が60億円の会社なら、純資産は40億円。この純資産を発行株数で割ったものが「1株あたり純資産(BPS)」になる。
BPSが500円の会社の株価が500円なら、PBRはちょうど1倍。株価と純資産が一致している状態だ。
PBRとは何か
PBRはPrice Book-value Ratio、日本語で「株価純資産倍率」という。計算式はシンプルだ。
PBR = 株価 ÷ BPS(1株あたり純資産)
PBR1倍は「今の株価が純資産と同じ価値」という意味。1倍を下回ると「理論上は会社を解散した方が株主にとって得」という水準で、割安の目安とされている。
日本株はPBR1倍割れの銘柄が多く、東証もPBR改善を上場企業に求めているほどだ。
初心者がハマる3つの罠
「じゃあPBR1倍以下の株を買えばいいじゃん」となるが、ここに罠がある。
罠① ROEが低い会社は低く評価されて当然
PBRとROEには深い関係がある。ROEとは純資産を使ってどれだけ利益を生み出しているかを示す指標。ROEが低い=純資産を有効活用できていない会社は、市場から低く評価される。PBR1倍割れはその結果であることが多い。
罠② 成長が見込めない業種は構造的に低い
銀行・鉄鋼・建設など、成熟産業や規制業種はPBRが低くなりやすい。業種の特性を無視してPBRだけで比べても意味がない。
罠③ 純資産の中身が問題なことがある
帳簿上の純資産が大きくても、その中身が不良債権・売れない在庫・減損リスクのある資産だったりすると、実質的な価値はずっと低くなる。
正しい使い方3つ
① 同業他社と比べる
トヨタを見るならホンダや日産と比較する。業種が違う株をPBRで比べるのは意味がない。
② ROEとセットで見る
PBRが低くてもROEが高い会社は、市場に見落とされている本物の割安株の可能性がある。逆にROEも低ければ、安いのには理由がある。
③ その会社の過去と比べる
同じ会社が過去5年間で平均PBR1.5倍だったのに今0.8倍なら、何か特別なネガティブ材料があるか、それとも見落とされているかを調べる価値がある。
まとめ
- PBRは株価 ÷ 1株あたり純資産(BPS)
- 1倍割れは理論上割安だが、そこには必ず理由がある
- ROEが低い・業種特性・純資産の中身の3つを必ず確認する
- 比べる相手は「同業他社」か「その会社の過去」
- PBRは単体で使わず、ROEとセットで判断する
PBRについてさらに詳しく知りたい方は、株レンズの用語集・PBRページも合わせて読んでほしい。
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